--仲間から学び、これからの学びをみんなで考える--
レポート| 発起人/事務局 簑田理香
4月26日(土)に、鹿沼市の一本杉農園カフェ「蒔時/まきどき」で集った「2018春のツドイ」のご報告です。ご参加のみなさま、ありがとうございました。参加できなかったみなさま、このレポートで共有させてくださいね。
最初に、ちょっと3月の振り返りと、今回のプログラムについて。 3月24日に開催した「はじまりのツドイ」では、ワークショップで「今の暮らしや社会の中での困りごとや不安を出し合う」「その原因を探る」「それを解決したい課題として、これからツドイでの学びたいテーマを考える」というステップで意見交換を行いました。初めの予定では、この時に、今年のツドイのテーマまで設定して、春のツドイからスタートさせる予定でしたが、3月のワークショップの中身が熱く、深く、素晴らしく、もっと語り合いたい、もっと聞きたい!ということになり、今回の春のツドイでは、さらにテーマの出し合いを深めてゆくこととしました。」
また、繋がってくださっている方たちが、それぞれに仕事や地域活動やボランティアでの「実践者」や、まだまだ子育てで大変だけど明快な意思をもって学び始めているお母さんなどなど、「あなたの考えや活動、もっと聞かせて!」という時間もつくりたいね、ということで、参加メンバーの活動の「話題提供」の時間も設けました。そしてもちろん、最後に、丸くなって食事しながら語り合う「夕食交流会」も、一本杉農園さんのパンと、市貝町の「わたね」さんの「パンに合うお惣菜」を並べてビッフェスタイルで開催。そんな3部構成の春のツドイ、報告です。
⒈ ネットワーク参加メンバーの話題提供
今回は、会場提供者でもある、鹿沼市の福田大樹さんが地域で進めている「学校給食と地域での野菜作りをつなげる」活動と、栃木市で、オルタナティブな学校づくりの啓発や実践を進めている宇賀神雄太さんのおふたり。最後には、埼玉県小川町から参加の森良さんより、ファシリテーター講座のご案内もいただきました。
福田さんと宇賀神さんは、今回、おつなぎしたいな〜という思いもあって、宇賀神さんに話題提供者をお願いしたのですが、某宇都宮大学某教育学部の同期だということも、その場で判明! 司会進行の際に「若手イケメン2トップ」と紹介しましたが、そんなおばちゃん的なつまらんイジリ方は、以降、自粛したいと思いますYO! さて、おふたりのお話を本当にダイジェストで恐縮ですが、共有します。詳しく知りたい方、ぜひ、SNS などでコンタクトとってみてください。
⑴「なんま学校給食地産地消プロジェクト」福田大樹さん
鹿沼市が募集した「地域の夢実現事業」に応募して、2年間で600万円の予算を獲得。 福田さんが提案し、旗振り役となって、地域の皆さんと意見交換しながら案を作成。 お子さんが生まれた時に、地域の小中学校の給食をオーガニックに!という思いから始まった福田さんのプロジェクト。さまざまな立場や考えの方たちと繋がりながら、立ち止まって考えたり、考えを深めたりしていくうちに、「地域のパパやママやジジやババが、野菜づくりを楽しんで学びながら実践し、作った野菜を提供する」という、家族ぐるみ・地域ぐるみのスタイルに落ち着いたそう。試行錯誤する過程で福田さんが考えて方針は、3つあったそうです。
①目標は高く掲げるけれど、急がない。少しずつ着実に動く。 ②一部の人だけでなく、なるべく地域全体に関わってもらえるような仕組みを。 ③地域内に対立をつくらない。
「なんま地域の、美しい田園風景と人々のつながり」「帰りたくなる故郷」を大事にしたいという福田さんの言葉は、未来のYES!の大きなヒントにもなりますね。
⑵「デモクラティックスクール」宇賀神雄太さん
宇賀神さんは、2014年に栃木市でフリースクールを立ち上げています。名前は、「デモクラティックスクールつながるひろば」。不登校の児童や生徒だけが通う場ではなく、そもそも、教育って、多様性があるべきものでは?という考えから、子どもたちが自分にあった教育の場を選ぶための選択肢を広げていく活動と言えます。
宇賀神さんの報告では、そんな「デモクラティック」な学びの場の考え方の説明と、フィンランドやオランダの教育事情を話してくれました。中でも、オランダでは、保護者など200人以上の署名が集まると学校を作ることができる、という報告に、参加者からは「わー!」「えー」と羨ましい!という声があがっていました。
⒉ これからの学びのテーマを考える!グループトーク
第2部では、「ジェンダー」「経済」「食べる」「働く」「政治」という5つのテーマで、テーブルごとに意見交換。この5つのテーマは、3月の「はじまりのツドイ」でのグループワークであげられた意見から集約したもの。5つのテーマで担当を決めて、テーブルのホストとなり、そこに参加者が均等につく形で、
意見交換をスタート。20分くらいたったら、もう1つのテーマを選んで、別のテーブルへ移動。またそこで、会話が弾みます。「政治のテーブルでいろいろと話して、ジェンダーのテーブルにきたら、いろんなことが繋がってきた!」という参加者の方も。私(簑田)のモットー「いきあたりバッチリ」で考えた進め方ですが、なかなか楽しかったですね。またやりましょう。
さて、各テーブルでどんな会話がなされたのか。ホストの方からのレポートで、振り返ります。この前編では、「ジェンダー」「経済」をどうぞ!
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「ジェンダー」担当:惣田紗希
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3月の「はじまりのツドイ」で出揃った「これから学びたいテーマ」のもと、ジェンダーについて、自分の地域と結びつけながら更に考えていくと、以下のようなことが上がりました。
①男女別の役割の固定概念を崩していく→閉鎖的な土地ほどに固定概念が強い
②男女の区別をつくらない子育てのための学び→研究している人を探す
③性教育はなぜ男女にわけるのか→多様な性もあるし、お互いの性も自分の性も知らない
④夫婦平等の子育て→勤め先での働き方も影響するので社会も変わるべき
なかでも③の性教育については、大人になった自分たちも、正しい性教育を受けていたのか?という疑問が出ました。保健体育で男女に分かれ、異性に知られてはいけないかのように、秘め事のように自分の性について教えられました。その時、男女という性別に分けず、お互いの性や多様にあるべき性を知ることが必要だったのかもしれません。
女性の生理について、PMSや過度な眠気などで身体が不調な時もあります。働く場でその弱みを見せると、甘えだと言われてしまうこともあります。それもお互いの性や身体のことを知らないのが原因とも言えます。
生理用品について、最近では捨てずに洗って繰り返し使う布ナプキンがあります。紙ナプキンは捨てて蓋を閉めてそれこそ目に見えないようにしてきたけれど、布ナプキンを導入し始めた方は、洗って使っている様子が生活のなかで見えるようになり、自分の体調を気にかけてもらえるようになったと話しています。ゴミを減らすということで、環境や経済にも繋がります。
そういう風に、学校で学ぶ前に、家庭で自分の性やお互いの性について学ぶことも必要かもしれません。
停滞する日本の性教育に対して、思春期の子どもに正しい性知識と自分の身体を守る大切さを説き、子ども自らが性を学ぶ姿勢を促す性教育研究者・村瀬幸浩さんに、大人の私たちも改めて性教育を学びたいです。
村瀬幸浩さん
https://www.sbrain.co.jp/keyperson/K-7067.htm
著書『性のこと、わが子と話せますか?』
http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0404-e/index.html
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「働く」担当:松永玲美
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はたら‐く【働く】
目的にかなう結果を生ずる行為・作用をする。仕事をする。
『働く×地域』を考える
働く=喜び、歓び?
働く=お金?
働く=社会貢献?
そもそも働くって何のためだったのか。
会社を経営している人、組織の中で働く人、色んな話の中から
『搾取』という言葉が何度も交わされました。
どれだけ働いても、どれだけ貢献しても、
小さなものは大きなものに搾取されているのが
現代の構図になっていることは否めません。
何が搾取されているのか?
時間、お金、身体、精神までも。
もしかしたらそれは教育から来ているのかもしれないし、
国策なのかもしれません。
「いい大学へ行かないと、いい企業に行かないと。」
それはもしかしたら洗脳めいた暗示かもしれません。
何かからはみ出さないように生きるために教育を受け、
今の社会に合った社会貢献を要求される。
ついていけない人は置き去りにされ、
社会的保護を受けられないままに悪循環を続けていくしかない。
一度立ち止まって『原点』に還る。
もしかしたらその『原点』がどこなのか。
分からなくさせられているのかも知れません。
【働く】キーワードから引き出した言葉「教育と搾取」から、
本来あるべき【働く】を読み解いていく。
これからは一つ一つにそんな作業が必要なのかもしれなぁ。
私たち一人一人が自覚的に生き〈私が働く〉と言うことに
喜びを感じられ、また、与えられたら。
豊かな循環から平和に繋がっていく。
わたしはそこに着地しました。
みんなと一緒に『未来にYES!』と言えるように。
これからもこの活動を通して、わたしの心の平和に繋げていきたいと思います。
*後編に続く。
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