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2019 秋のツドイのご報告

「自分らしく生きていくために -ジェンダーからのアプローチ-」


レポート|発起人 福田大樹




秋のツドイのテーマは「ジェンダー」。

一般社団法人「ちゃぶ台返し女子アクション」から、中村果南子さんを御迎えしてレクチャーとワークショップを行っていただきました。

まずはじめに、クイズ形式のワークショップ。

次の文章を正しく流れるように並べ替えてみます。

1.外科医は「息子だから手術できません」と話しました。

2.自動車が、ある男性と、彼の息子を轢きました。

3.息子は手術が必要です。

4.病院の外科医が手術を依頼されました。

5.路上で交通事故がありました。

6.父は即死です。

答えは、

5.路上で交通事故がありました。

2.自動車が、ある男性と、彼の息子を轢きました。

6.父は即死です。

3.息子は手術が必要です。

4.病院の外科医が手術を依頼されました。

1.外科医は「息子だから手術できません」と話しました。

と、なります。

ここでモヤッとしたあなた。

「それがジェンダーバイアスです。」




と、見事にキメた果南子先生。

文脈から外科医は「女性」で、「息子の母」であるとわかりますが、

外科医を勝手に「男性」だと思い込んでしまうと、文章に矛盾が生じます。

自身の潜在意識に根付く偏った性のイメージに気づかされました。

その他にも、<ニュース、家事、戦士>の単語から湧いてくるイメージを言語化したり、

女子サッカー選手へ小学生男子がインタビューする動画を見たり、

レクチャーを通して、

世間や自分が持つジェンダーバイアスが次々と露わになっていきました。

僕も、平等、公平と頭ではわかっているつもりでいても、

様々な性に対しての理解がまだまだ足りていないことを実感しました。

続いて、議題は性暴力についての社会課題へ移っていきます。

性暴力の被害者は、

とある統計では、人口の4.9%いるという結果があるそうです。

そのうち被害を誰かに相談できた人はたった39%で、警察に届け出たのはわずか3.9%。

見えていないだけで、性暴力の被害に悩む人は実はかなり多そうです。

また、加害者は「見知らぬ人」が多いのではなく、80%が「顔見知り」。

上司や先生、先輩、コーチなど、立場が上の人からの被害が多く、

だからこそ、被害者は「声をあげにくい」という問題。

こうした被害を減らすために、果南子先生が提案してくれたのが「コミュニティ・ベースト・アプローチ」です。

①一人ひとりが性関係においても他者の意思を尊重することを学ぶセクシャルコンセント(性的同意)ワークショップ

②ハラスメントの予防を個人の責任にするのではなくコミュニティ全体で取り組む第三者介入ワークショップ

この二つのワークショップを通じて、お互いを大切にし大切にされるコミュニティの共通の価値観をつくる方法を学びます。



①については、二人でピザのオーダーを決めるワークショップをしました。

生地、味付け、トッピング。様々な要素をお互いの嗜好や気分を思い合いながら同意を取っていく。

性的同意も同様で、

NOと言える環境が整っていて(非強制性)、

社会的地位や力関係に左右されない対等な関係であり(対等性)、

一つの行為への同意は他の行為への同意を意味しない(非継続性)、

そのような状況下での同意があって初めて、

同意ある愛情表現としての性関係が成り立つことを学びました。

②については、

3つの「D」が重要であることのレクチャーを受けました。

「DIRECT」⇒直接介入する

「DISTRACT」⇒気を逸らす

「DELEGATE」⇒委任する

性暴力は当人同士のみの問題ではなく、第三者にも止める力がある。

力があるということは、責任の一端を担っているとも言えるでしょう。

ところが、今の日本では被害を受けた女性が逆にバッシングされる、いわゆるセカンドレイプが起きてしまう場合が少なくありません。

責任と力に少しでも自覚を持ち、

日々のコミュニケーションを通じて、どこかで不自然な雰囲気を感じたら、

3つの「D」のうち自分にできるものを実践してみましょう。



最後に参加者全員にマイクを回して、今回のレクチャーとワークショップを振り返りの時間を。

僕はセックスリテラシーの低さ解決のために、エロ本を教科書にしては?

と発言してツルっと滑りました。どなたか第三者介入してほしかったです。

あっという間の2時間半でした。

中村果南子さん、企画担当の倉本芙美さん、貴重な学びの機会をありがとうございました。



レポート|発起人 福田大樹

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