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2019 初夏のツドイのご報告

更新日:2019年10月23日


アーサー・ビナード 『知らなかった、ぼくらの戦争』 × こどもの未来にイエス!を作ろうネットワーク 『うけつぐマナビ、聞き書きの会』 ~平和へのイメージ 戦場への想起~


レポート|発起人 松永れみ、田野辺隆男


6/16 日曜日 午前より 益子町にあるコミュニティスペース『ヒジノワ』にて

アーサー・ビナードさんをお呼びしての開催となりました。

カフェスペースにてアーサーさん演じる紙芝居 『ちっちゃい こえ』をみんなで観賞する場面からスタートしました。


参加者の中には「小さい頃10円で駄菓子を買い、紙芝居をみていた」方たちもいらっしゃいました。

丸木俊さん位里さんの「原爆の図」から切り取られた画と、アーサーさんの語りは、周りの音を消し、空間ごと吸い込まれるような錯覚に陥りました。



紙芝居の後は場所を移動し、「うけつぐマナビ、聞き書きの会」より、3名の書き起こしを発表していただきました。

公園で出会った戦争体験者2名のお話、自分のおばあちゃんの戦争体験のお話、沖縄県伊江島「ぬちどぅたからの家」の謝花さんのお話。



3名の方が聞き書きしてくれた戦争体験者の女性はいずれもまだ子供だった頃に戦争を体験し、光景も臭いも鮮明に記憶されていました。

そのお話しを元に、アーサーさんの視点を加え、参加者の方の情報を聞き、更に戦争や軍隊、空襲のお話しを深めていきました。

戦争の悲惨さ、虚しさ、そして、それらの出来事が全て仕組まれたことだったこと。

アーサーさんのたくさんの学びの中から私たちに伝えたかったことは、「戦争なんて馬鹿げている」 これにつきるんだろうな、ということでした。




おはなし会のあとも、アーサーさんと会話を交えながら、それぞれの時間を過ごし、、たかったのですが、1時間も終了時間をおしてしまい、バタバタで帰られました~。

22名の参加者さんからも、来て良かった、との声をいただき、素敵な学びを得たツドイだったんだな、と感じました。

戦争の視点や観点を変えながら、後世に語り継いでいきたいと思います。

ありがとうございました。


発起人 松永れみ


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初夏のつどいのアーサーさんのお話が本当に素晴らしかったので、参加者の一人としての感想の投稿です。

松永れみさんが、先日のリポートで、紙芝居「ちっちゃいこえ」について書いていました。

「アーサーさんの語りは、周りの音を消し、空間ごと吸い込まれるような錯覚に陥りました」と。その通りなんです。私も同じ思いでした。

「原爆の悲惨さについて、丸木俊さん位里さんの原爆の図を絵にして、アーサーさんがコメントをつけた」だけの知識しかなくて紙芝居を見ました。

衝撃でした。事前の予想と違うんです。原爆の悲惨さを十分に伝えるとともに、もっと深い、命とは何か、命を見つめるとはどういうことなのか、真実を見つめるとはどういうことなのか、様々なことをアーサーが考えさせてくれました。


アーサーは語ります。

「赤ん坊の細胞は声を出している。ずんずん るんるん」

「放射能に侵された細胞はジリジリと音を出している。ジリジリと死んでいっている。」

すごい言葉ですね。単なる言葉ではなくて、言葉の内実がこもっているから胸に響きます。

私も自分の子供、そして孫を抱いてきました。その細胞の力を感じていたつもりです。でもその細胞がちっちゃなこえをだしていること、ずんずんというこえを出しているなんて、なんとすごいことでしょうか。声は他のいきものにも届くんです。私たちが耳を傾けていないだけなんです。それをアーサーが教えてくれました。命が命であることをこんなにもすごく表現するなんて、まさに詩人です。細胞がジリジリと死んでいく怖さは身の毛がよだつものでした。

そして、紙芝居の凄さは、ちっちゃい声をアーサー自身が本当に聴いていることが、その語りからわかることです。だからみんな周りの音が聞こえなくなって、一緒に耳を傾ける。

それは本当に至福の時間でした。私も詩人になりたい。本当の言葉を見つけたい。本当の言葉で人とつながりあって本当の幸せを見つけたいと感じさせてくれる時間でした。

紙芝居だけではなく、アーサーとの語り合いは多くの学びがありました。ありすぎて、今は語りつくせません。これから集中的にアーサーの本を読みたいと思っています。

告白しますが、私はアーサーに惚れてしまいました。恋をしてしまいました。五十路の最後の年の恋です。皆様も是非アーサーの本を読みましょう。

発起人 田野辺隆男

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